うなぎのひつまぶしの発祥の地はどこ?

日本人の多くが大好きなうなぎ。ヨーロッパではフライや煮こごりにして食されるようですが、日本ではやはり甘辛い醤油味が好まれます。蒲焼き、白焼き、ごぼうを巻いた八幡巻、卵焼きのう巻、握り寿司等々、様々な調理法が工夫されてきましたが、中でもファンが多いのが「ひつまぶし」でしょう。
ひまつぶしではありません。

おひつに盛られたご飯と小さく刻んだ蒲焼きを、おひつの中でまぶしてから、薬味やだし汁でバラエティ豊かな食べ方をする料理です。基本の食べ方は、最初におひつから茶碗によそったものをそのまま食べ、次にワサビ等の薬味を加えて食べ、3度めには薬味とだし汁をかけてお茶漬けのようにして食べ、最後には自分の一番好きな食べ方でいただく、というもの。一度で様々な美味しさが味わえる、まさにうなぎ好きのための料理で、うなぎもこれだけ楽しんで食されれば本望というものでしょう。

ではこの素敵な食べ方はどこの誰が考え出したのでしょうか。これに関しては、名古屋の老舗という説と、三重県の津市という説の2つがあります。名古屋ではお客さんへの思いやり、三重ではうなぎが「もったいない」という考え方がひつまぶしを生み出しましたが、おそらく違う土地のうなぎ好きが、同じことを考えついたというのが真相ではないでしょうか。

ひつまぶし発祥のエピソード

ひつまぶし発祥の地の一つとされている名古屋では、その昔、うな丼が美味しいと評判の料理屋さんがありました。その店には出前注文がたくさんあって、忙しく出前に出かける店員さんは、帰りにからの丼をうっかり割ってしまうことが多かったそうです。

困った当時の店主は、割れない大きなおひつに人数分のうな丼を盛って、取り分けてもらうようにしてはどうだろう、と考えつきました。しかしそこはおもてなしの心がきめ細かい名古屋です。美味しいうなぎばかりが先になくならないようにと、また各人に均等に行き渡るようにと、蒲焼きを細かく刻んでまぶすということを思いつきました。そして薬味と一緒に食べたら、とか、だし汁でお茶漬けにしてみては、と工夫が重なり、今の姿になりました。
一方、三重県の津市もうなぎ好きの街。鰻屋さんの多さでは日本一とも言われています。

こちらの老舗では、昔の店主がいいうなぎに出会ったときに、焼きあがったうなぎを待ちきれず、ご飯の入ったおひつに乗せて試食し、また少し残ったご飯に蒲焼きの味がしみていたのがもったいなくて、お茶漬けにして食べてみたらこれがまた素晴らしく美味しかったので、ひつまぶしという食べ方を考案しました。また三重県では、昔のうなぎは品質が安定していなかったために、そのままでは出せないようなうなぎを細かく刻んでまかない料理として出したという説もあります。